★昭和SF本　縮小人間/ミクロの恐怖　R•マシスン作　各務三郎訳　秋田書店

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商品の説明

★昭和49年初版発行。カバー無し裸本です。
★表紙＝全体にスレ傷汚れ有り。背の天に亀裂破れ
　　　　有り。表表紙、裏表紙共に小口側下端に
　　　　強い角スレ有り。
　本文＝見開き、見返しに強めのヤケ有り。三方に
　　　　強い経年ヤケ、シミ汚れ有り。本文ページ
　　　　紙面黄変、周辺部の経年ヤケ、汚れ有り。

　★★製本自体はしっかりとしており、通読に支障は御座いません。★★

　昭和49年、1974年発行の初版本です。秋田書店のこの頃のSFや怪奇ものは、楽しい本が目白押しでした。何せ、子供向きとは言え倫理的な縛りがほぼ無かった？時代の本なので、おどろおどろしい挿絵と、荒唐無稽な設定の、大人が眉をひそめるような物が、子供達には大人気だったのです。

　船上で、放射能を含んだ海水を浴びたことで、「縮みゆく男」になってしまったスコット。180センチ以上あった身長が、日に日に縮んでいきます。

　妻よりも、幼い娘よりも小さくなってしまったスコットは、それでも何とかして家長たらんとして頑張りますが、終いには人形の家で暮らすようになります。

　最終的には虫よりも小さくなって、自宅の地下室で、家族に見失われたまま、サバイバル•ライフを送るのです。ここが一番大事なところで、上記の場面は、「〇〇フィート〇〇インチの思い出」と称して、虫以下のサイズになったスコットが、折々回想して語る形式になっています。

　初読時は、小学生だったので、クモと闘う現在のシーンと、過去の思い出が交互に出て来る形式が分かりにくかった。主人公スコットの心に同調するにはもってこいの手法なんですが。

　特に好きだったのが、苦労して椅子をよじ登り、クラッカーの箱に辿り着く所。結局クラッカーはカビてたのですが、パラフィン紙で覆われていた部分はカビていなかった。

　包んで、下に落としたけど、包みが解けなくて良かった、とスコットがにっこりする場面。子供の頃は、スコットと一緒によじ登り、「解けなくて良かったね！」と顔を見合わせて笑ったような感覚になっておりました。

　大きさは相対的なもの、という概念を悟らされる本です。とても面白いので是非！

　長期個人保管の大変古い本です。状態は、上記★書きと、画像よりご判断下さい。

　古い本にご理解のある方との、嬉しいご縁を心よりお待ち致しております。